ある決闘 水谷準 「改造」1951年 「日本推理作家協会賞受賞作全集2 短篇集」1995年5月 双葉文庫 第5回日本推理作家協会賞 短篇賞 【女を賭けて行われた決闘。死人が出ても自殺となるように、仲間たちで仕組んだが】 そういう仕組みであることは見えてしまうけれど、深読みすれば、それを受けての女の態度にこそ恐ろしい自己陶酔を見ることができる。作者は文中には、はっきり書いていないけれど。
私刑(リンチ) 大坪砂男 「宝石」1949年 「日本推理作家協会賞受賞作全集2 短篇集」1995年5月 双葉文庫 第3回日本推理作家協会賞 短篇賞 【黄金仏紛失事件を巡る因果】 軽妙な語り口。内容を別にすれば、戦後初期のものとは思われない。
虚像淫楽 山田風太郎 「旬刊ニュース別冊」1948年 「日本推理作家協会賞受賞作全集2 短篇集」1995年5月 双葉文庫 第2回日本推理作家協会賞 短篇賞 【なぜ女は、昇汞を八グラム飲んだのか。女とその義弟の身体に、みみず脹れがあるのはなぜか。】 結局は、通じなかった。千明医学士はすぐに忘れるのではないか。それでも死んだ後のことだからかまわないのか。
眼中の悪魔 山田風太郎 「別冊宝石」1948年 「日本推理作家協会賞受賞作全集2 短篇集」1995年5月 双葉文庫 第2回日本推理作家協会賞 短篇賞 【知人の妻殺しについて語られるその真実とは】 医学的内容が関連しているが、そこに重点はなく、木々高太郎「新月」と同様に、ある登場人物の想いが注視されている。
海鰻荘奇談 香山滋 「日本推理作家協会賞受賞作全集2 短篇集」1995年5月 双葉文庫 第1回日本推理作家協会賞 新人賞 【塚本博士宅で発生した謎の事件。骨と皮だけになった彼の娘と息子。一体何が起こったのか、犯人は誰か、どのような方法で殺害したのか】 ストーリーは『怪奇大作戦』的で、所謂謎解きミステリーではないが、おもしろい。 細部を現代風にアレンジして、映像化されたものを見たい。
新月 木々高太郎 「宝石」1946年5月号 発表 『謎の物語』1991年3月 ちくまプリマ—ブックス 『日本推理作家協会賞受賞作全集2 短篇集」1995年5月 双葉文庫 第1回日本推理作家協会賞 短篇賞 【21歳年上の男と結婚した女が事故死した。その父と兄は、夫による殺人なので慰謝料をとってくれと弁護士に相談する】 最後の章は、冗長に感じる。取り扱っている内容について、ここまで書かないと理解されないと作者は想っていたということか。