青木幸子
棋譜指導:飯島英治(日本将棋連盟棋士) 第1話 夏休みの草原 「イブニング」'10年8号~10号、12号、14号、16号、18号、19号掲載 イブニングKC 331 p.191 2010年10月22日 第1刷発行 株式会社 講談社 久世杏は、6歳の時の出会いをきっかけに、将棋を始める。本気で遊ぶために、王を狩る旅へ。
『茶柱倶楽部』のコシマキで知った。同じく『ZOOKEEPER』の青木幸子ということで、作者買い。
『ZOOKEEPER』が印象深いのは、各話の動物エピソードももちろんだけれど、主人公の特性が万能として描かれていないこと。主人公自身も誇るべき能力だとは思っていない。 『王狩』の主人公久世杏も、第2話で「覚えていてあたり前」、「どうしたら知識を力に変えられるんだろう」と考える。 さらに第3話では、高辻図南が、「盤の前では誰もが自分の力で指す!!使う力が記憶力だか体力だかなんて知ったことか!!」と叫ぶ。 杏が持っているのは、祖父と同じ見えたものを全て記憶しているという能力(だと思われる。作中では何げなく見た事まですべて覚えている、とある。)だが、それが全てを解決するわけではなく、第6話ではそれゆえに追い詰められる。 『ZOOKEEPER』では、自分の特性は有用な能力であり適切に使っていいのだ、と語られていたけれど、『王狩』では、自分の能力を使って当たり前、プラス何かがなければ遊び続けられない、と語る。 同じような記憶力が出てくるものとしては、『テラバイト』がある。 主要登場人物は、 稲森会長の思惑と、それに気付いている毬乃。『茶柱倶楽部』では姿を現したが、本編では9歳でのみ登場の園川はいつ姿を現すのか。 |