001 転人(仮)

estis2015/07/23 (木) 13:35 に投稿

梗概

公園のベンチに一人座っている男が思い出を語り始める。
二足歩行をやめ、転がる人が現れたあの年。
それは人々に伝染し、いくつかの街では誰一人立って歩く者がいなくなった夏。アスファルトの熱さに苦しんでも転がる事を止めない人達。
歩く者と転がる者との諍いが始まった秋。
そして冬。歩く人には、転がる人々は見えなくなった。おそらく転がる人にも歩く人々は。
春が来る毎に、人々は忘却し、今は誰も憶えていない。
しかし男は時に考えてしまう。なぜ、一緒に転がり続けなかったのか。なぜ、一人こちらへ戻って来たのか。
転がることを選んだ『あの人』のことを、男は話し始める。

MEMO

2002年に、「人が転がる」とおもしろいのでは、ということで撮影を開始し、梅地下、八坂の塔前、鴨川土手などで何人かに転がってもらったけれど、一身上の都合により中断。
JR茨木駅から万博記念公園へ続く道路で、十数人転がらせたいなどと考えていた。
【梗概】は、今考えた。最近漠然と浮かんだのは、『ある愛の詩』のように男が一人座っている絵。
他に今見えているのは、
 ○ 転がる女が障害物のせいで部屋の外へ出られない。それでも出ようと転がり、額などに血がにじむ。それを見ている男とその男を見る女。といったシーン。
 ○ ある道を、歩く人と転がる人がすれ違う。互いに相手には気付いていない。その一瞬がこの映画のポスターに使われている。