さて、「獄門島」がエラリイ・クイーン Ellery Queen「Yの悲劇」の影響を受けている事は、「横溝正史読本」小林信彦 編 で語られています。
『ブラント・インストルメント』と『気違いじゃが仕方がない』と、もう一つ、ですね。
この「Yの悲劇」は、日本人が非常に好むミステリのようで、私も幼き日に、少年向けのリライトで読みおもしろく感じたことを覚えています。
これは、「Xの悲劇」から始まって、Y、「Zの悲劇」、「ドルリイ・レーン最後の事件」と四部作になっていて、この四作は最初バーナビー・ロス名義で発表されました。
「ドルリイ・レーン最後の事件」と、名前が出ているように、この四作には、元シェイクスピア俳優の探偵ドルリイ・レーンが登場します。
「Yの悲劇」のみが、有名ですが、ここはぜひ「Xの悲劇」から順を追って読むべきものだそうです。
なぜなら、この四作はドルリイ・レーンに関する大長編だからなのだそうです。(伝聞なのは、まだ全部読み終わってないからなのです)
エラリイ・クイーンは、他に、
「フランス白粉の秘密」や「エジプト十字架の秘密」などの国名シリーズ、
「災厄の町」、「十日間の不思議」、「九尾の猫」や、
種々のアンソロジーの編纂、
雑誌(EQMM)の発行、など様々に活躍しています。
かつてはミステリ・ファンなら読んでおかないといけない作家だったわけですが、昨今は大手書店でないと有名作以外は棚に並べてもらえないようです。