2011/03/21 レベッカ

estis2011/03/21 (月) 21:23 に投稿

REBECCA
1940年
アメリカ
モノクロ
130分
監督:アルフレッド・ヒッチコック
製作:デヴィッド・O・セルズニック
原作:ダフネ・デュ・モーリア
脚本:ロバート・E・シャーウッド/ジョーン・シンプソン
撮影:ジョージ・バーンズ
音楽:フランツ・ワックスマン
出演;ローレンス・オリヴィエ/ジョーン・フォンテイン/ジョージ・サンダース/ジュディス・アンダーソン/グラディス・クーパー/ナイジェル・ブルース/レオ・G・キャロル

1940年 第13回アカデミー賞 作品賞、撮影賞(白黒)


先妻レベッカと死別したマキシムと偶然知り合ったマリアンは、結婚し彼の屋敷のあるマンダレイへ。そこには今は亡きレベッカの影が、未だ支配している場所だった。家政婦のダンヴァース夫人はレベッカを信奉しており、はっきりとは言わないがマリアンを見下している。
ある日、埋葬したはずのレベッカの亡骸が、沈んだヨットと共に発見される。
午前十時の映画祭 青の50本の1本。
ラブストーリー的な始まりから、スリラー、そしてミステリーへと雰囲気を変えつつ物語は進む。

レベッカは不治の病を抱えていたため自暴自棄だった。そんな時知り合ったマキシムと結婚。マキシムは当初レベッカの美しさにゾッコンだったが、手に入れ毎日見ていればやがて飽きてくる。マキシムは彼女の美しさが欲しかったので、彼女の苦しみなどに心至らなかった。
レベッカはそれを知ったため、マキシムを苦しめるように他の男達と関係を持ち、ある日マキシムに重大な事を告げる。
「妊娠したけれど、誰の子供かしら。幾つぐらいにまで成長したら、あなたの子供じゃないってことがわかるかしら」
せめて彼の手で殺してもらおうと、そうマキシムに告げた。
マキシムは妊娠が嘘だという事も、レベッカが癌にかかっているということも知らない。レベッカが本当は救われたがっていたことも知らない。
彼はただ、自分を前にして薄ら笑いを浮かべる女を怒りのあまり殴ってしまう。
倒れた女は、それきり立ち上がらない。
彼は、自分を守るため、沈むように細工したヨットに彼女を乗せ、海へと出した。
彼はタイミングよく発見された死体をレベッカということにして、埋葬を済ませた。
自らの罪が暴かれるのを怖れ、マンダレイから離れる。
旅先で偶然知り合ったマリアンを妻として、マンダレイへ戻ってしまうマキシム。
彼の帰還を待っていたかのように、ドラマが始まる。
最も忘れたいレベッカの影が彼の前に現れ始める。
再開した舞踏会では、マリアンがレベッカの姿をまねて彼の前に。
彼は恐怖から、マリアンを叱責してしまう。
そして、沈んだはずのヨットとレベッカの死体が発見される。
美しく貞淑だと信じられていたレベッカの仮面が剥がれ、彼の罪もついには暴かれてしまうのか?

といったドラマだという筋立て、理解も可能な物語だと思える。
タイトルロールが姿を現さないので、彼女の心の計りようでこのような捉え方も可能だ。
この作品では、悪女として語られているレベッカが必ずしもそれだけではなかったのでは、と少し示唆されるにとどまる。

一番不思議なのは、なぜマキシムは、マンダレイへ戻ったのだろうか。
そこに家があるからなんだろうけれど、売り払ってどこか別の所で暮らすのはだめだったのかな。

マキシムも悪い奴なんだ。