3600-2 (2001年に書いたもの)

estis2011/06/21 (火) 01:58 に投稿

 「ファイナルファンタジー」という映画が、今年公開された。ご存知のように、RPGのビッグタイトルの一つからこのタイトルは由来している。公開前からその映像の質に話題が集中していた。
 すでにいろいろなオールCGの映画は存在していたけれど、そのどれもが主人公は人間ではなかった。人間の顔の表情をCGで再現するのはとてもむずかしいからだ。
 だが、この「ファイナルファンタジー」では、その難しい人間の表情に挑戦している。制作者曰く、主演女優賞を狙っている、らしい。
 これはこれで、技術の進歩であり、今までは様々な理由で不可能であった映像が、作られていくことになるだろう。
 しかし、これも一つの方法でしかないことを忘れたくはない。アニメーションが、現実で起こり得ない、物理法則を無視した表現をしたとしても、その一点を取り上げて酷評する者は、映画を見たとは言えないだろう。極論してしまえば、映画と現実とは違うのだから、現実でのルールが映画内で遵守されなくてもまったくかまわない。地球が自転を止めていようと、人間が空を歩いていようと、そこに現れるモノが今まで見たことがない何かでもかまわないのだ。それが、その作品内世界に存在し得るものであれば、それを見た人々にどれほどの違和感を与えようと。暴言を爆発させれば、人間を主人公に、身近な風景を舞台に撮影することなんて、なんて容易いことなんだ。観客は人間なのだろうから、それも今まで人間の間で何年か生き延びてきた者なのだから、人間の表情が何を表出したいのか、蝉の表情よりもうまく読みとってくれることだろうよ。あまりにも安易に人間を登場人物に使っていないか?表情を持たないように見える、缶や瓶を主役にできないものか?
 そもそも映画は、動きを記録したいという欲望から生まれたものではないか。目の前に動いているそれらの動きを、別の場所で再現しようという試みは成功し、通常動いていないモノまで動かせるようになった。動いていないモノの動きも、動くモノの動きをトレースしているだけなのかな。それがリアリテーってもんかい。もっと斬新な動きはないものか。そういえば「千と千尋の神隠し」の竜の飛び方には、びっくりした。あののたくりかたに、感銘を受けた。今まで私の中には見た記憶のない動きだったのだ。
 リアルとはいったい、如何ほどのものか。見たまま、聞いたままなどと、何も疑うことなく言えるほどには、もの知らずではなくなった。光の速度さえ変化し続ける。そのままであるものなど、何が残りうるのか。先ず自らの意志を疑え。その様に世界を見る者は、己だけだ。他者がどのように見ているのかなど、いくらあなたと同じと言われても、信じる以外途はない。今日見えた世界が明日もまた同じ様に見える保証はどこにもないのだよ。
 こうしたここまで私が書いてきたことと、あなたがここまで読んできたことは、一体同じなのだろうか。
 それでも、こういった全てのモノを包み込んでリアルは屹立する。リアルは個々に分散され、内包される。それは再び作り上げられなければならない。分散された全てのリアルが、噴出され、また個々の内部へと還っていく。この絶え間ないサイクルがこの世を形作る力であればこそ、人々は皆、自らのリアルの表現方法を持つべきなのだ。

3600-1 (2001年に書いたもの)

estis2011/06/21 (火) 01:55 に投稿

 もし君が映画を見ようと思ったら、いったいどうやってそれを選んでいるんだろう。君は映画なら、とにかく何でも見てやろうと思っている非常な映画ファンかもしれないし、何を見るかなんかはどうでもよくて、その人が誘ってくれさえすればそれでいい、映画にたいして興味もない君かもしれない。
 どちらにも囁きたいことはあるけれど、ここで告げたい相手はどちらでもないあなた。あなたはいろいろなところで、映画についての情報を目にする。例えば、雑誌の広告、テレビのコマーシャル。でも、映画は映画館でできるだけ見たいと思っているあなたにとって、その映画館で見る予告編が、なによりもあなたの心を捉える。
 少し思い出してみよう。今までで最高の予告編は、たしか「ザ・ソルジャー」とかいう映画の予告編。タイトルの記憶はあやふやだけれど、予告編の内容は覚えている。本編のクライマックスシーンをもれなく見せてくれる予告編で、そんなこととは思わないあなたは、予告編で見たおもしろげなシーンとシーンの間にどれだけ凄いシーンが隠されているのか、期待一杯で映画館に向かったのに、そこには予告編と同じものしかなかった。こんなんじゃ、本編を見る必要がない。
 例えば、「マトリックス」。こいつも予告編では、今までにあまりお目にかかったことのない映像をいっぱい見せてくれて、とても期待を膨らませてくれた。でも、映画館で本編を見てみると、それほどおもしろくは思えなかった。予告編を見て頭の中にできあがったあなた自身の『マトリックス』を「マトリックス」は越えることができなかったから。どれだけ凄い映像も、フィルムに定着された時点で成長を止め、人の意識の中、育ち続ける妄想を越えられないのか。
 あるいは「ガメラ3」。予告編の空を埋め尽くすギャオスの集団に、あなたはこのギャオス達が都市を襲うシーンを妄想してしまう。けれど、そんなシーンはこの映画の中にはない。飛び交うギャオスはラストシーンで、あなたの妄想したギャオス達とガメラの闘いは暗示されるだけだ。
 予告編の役目が、観客をとにかく映画館へ集めさえすればいい、どこか詐欺師的な役割でもかまわないのなら、「ザ・ソルジャー」の予告編はとてもすばらしいといえるだろう。
 でも「マン・オン・ザ・ムーン」は大甘なラブストーリーではないし、「スターリングラード」で、スナイパーはターニャのために敵を撃つわけではない(むしろ、ターニャのために敵を撃たなくなるという物語だろう)。
 一度だまされたら、次はもう信じない。そんな人達も大勢いるだろう。そんなことには気付かないのか、予告編は今日も人々を誑かす。
 それでも、あなたはまだ映画館へと通い続ける。時にはまた予告編にだまされ、失望を味わっても。いつかどこかで、自分の想像を圧倒する映像に出会いたくて(でも、もし出会ってしまったら)。

2011/05/15 バンド・ワゴン

estis2011/05/17 (火) 06:06 に投稿

THE BAND WAGON
1953年
アメリカ
112分
監督:ヴィンセント・ミネリ
製作:アーサー・フリード
脚色:ベティ・コムデン/アドルフ・グリーン
撮影:ハリー・ジャクソン
美術:セドリック・ギボンズ/プレストン・エイムズ
音楽監督:アドルフ・ドイッチ
音楽:アーサー・シュワルツ/アーサー・ディーツ
振付:マイケル・キッド
出演:フレッド・アステア/シド・チャリシー/オスカー・レヴァン/ナネット・ファブレイ/ジャック・ブキャナン/ジェームズ・ミッチェル/ロバート・ギスト


今や過去のスターとなったトニー(フレッド・アステア)に、新作ミュージカル出演の誘いが。
観客無視で高尚な芸術を目指してしまう監督、しっくりこない相手役、と問題山積みのまま初日を迎え、散々な結果に終わるが、、

2011/05/08 ザッツ・エンターテイメント

estis2011/05/10 (火) 01:35 に投稿

THAT'S ENTERTAINMENT!
1974年
アメリカ
132分
製作/監督:ジャック・ヘイリー・Jr.
製作総指揮:ダニエル・メルニック
編集:バド・フリージェン
音楽監督:ヘンリー・マンシーニ
音楽監修:ジェシー・ケイ
出演:フレッド・アステア/ビング・クロスビー/ジーン・ケリー/デビー・レイノルズ/ミッキー・ルーニー/ジェームズ・スチュワート/ライザ・ミネリ/エリザベス・テイラー/フランク・シナトラ/ドナルド・オコナー/ピーター・ローフォード


MGMミュージカル映画名場面集

2011/05/07 そばもん ニッポン蕎麦行脚 (6) -越前おろしそば-

estis2011/05/08 (日) 01:32 に投稿
山本おさむ
監修:藤村和夫(元「有楽町・更科」四代目)

第44話 越前おろしそば(前編)
第45話 越前おろしそば(中編(1))
第46話 越前おろしそば(中編(2))
第47話 越前おろしそば(後編)
第48話 スピリチュアル猫様
第49話 蒲焼きと揚げ出し
第50話 固いそばの”なぜ”(前編)
第51話 固いそばの”なぜ”(後編)
第52話 聖夜に鴨抜きを
今日もそば日和

「ビッグコミック」'10年第16号~第24号掲載作品

ビッグ コミック p.223

2011年5月3日初版第1刷発行

イラスト/山本おさむ
カバーデザイン/簑原圭介+ロケット・ボム
写真撮影/荒川雅臣
写真協力/御清水庵 清恵

株式会社小学館


越前おろしそば

 越前おろしそばは、江戸そばに劣るのか。
 一本の大根から、一定の辛さの大根おろしを作る方法とは?

スピリチュアル猫様

 谷中の長明寺、そば職人の物語。
 麺類杜氏、口入れ宿、寄親、寄子、月並

蒲焼きと揚げ出し

 そばがきを使って。
 新キャラ登場?

固いそばの”なぜ”

 そばの固さについての秘密。
 なぜ固いそばがもてはやされているのか。

聖夜に鴨抜きを

 そば屋と日本酒の関係をネタに、ちょっとしたクリスマス・ストーリーになっています。

2011/05/05 弁護士のくず 第二審 (2)

estis2011/05/07 (土) 00:31 に投稿
井浦秀夫
監修・弁護士 小林茂和

case.11 なりすましの家(1)
case.12 なりすましの家(2)
case.13 なりすましの家(3)
case.14 家族の顔
case.15 蚕食弁護士(1)
case.16 蚕食弁護士(2)
case.17 蚕食弁護士(3)
case.18 蚕食弁護士(4)
エピソード『蚕食弁護士』についてのご報告

『蚕食弁護士』参考文献
懲戒除名 “非行”弁護士を撃て』内田雅敏/著(太田出版/刊)

「ビックコミックオリジナル」'08年第1号~第3号、第5号、'10年第3号~第5号、第12号掲載作品

ビッグ コミックス p.197

2011年5月3日初版第1刷発行

COVER DESIGN:セキネシンイチ制作室

株式会社小学館


なりすましの家

ネットで知り合った女から、働こうとしない夫を殺して欲しいと頼まれた男は、保険金殺人の実行犯として逮捕される。だが、彼は殺っていないと訴える。

家族の顔

息子夫婦が健在なのに、任意後見契約を結びたいと事務所を訪れたのはなぜなのか?

蚕食弁護士

会社の顧問弁護士が横領していると寿仁也に依頼があるが。

2011/05/04 サウンド・オブ・ミュージック

estis2011/05/05 (木) 00:39 に投稿

THE SOUND OF MUSIC
1965年
アメリカ
174分
監督:ロバート・ワイズ
製作:ロバート・ワイズ/ソウル・チャップリン
原作:リチャード・ロジャース/オスカー・ハマースタイン2世
脚本:アーネスト・リーマン
撮影:テッド・マッコード
編集:ウィリアム・レイノルズ
音楽:リチャード・ロジャース
作詞:オスカー・ハマースタイン2世
編曲:アーウィン・コスタル
出演:ジュリー・アンドリュース/クリストファー・プラマー/エリノア・パーカー/リチャード・ヘイドン/ペギー・ウッド/アンナ・リー/チャーミアン・カー/ニコラス・ハモンド/ヘザー・メンジース/デュエン・チェイス/アンジェラ・カートライト/デビー・ターナー/キム・カラス/ポーティア・ネルソン/ベン・ライト/ダニエル・トゥルーヒット/ノーマ・ヴァーデン

1966年 第38回アカデミー賞 作品賞、監督賞、音響賞、編集賞、音楽賞(編曲)


歌が好きで修道院でも変わり者扱いされているマリアは、院長からトラップ家の家庭教師を命じられる。
妻を失ったトラップ大佐は、子供たちを厳格にしつけようとしているが、それに反発したマリアは自分の好きな音楽を教えることで、子供たちとの関係を築いていく。
最初は反対していた大佐も子供たちの歌声に、音楽への想いを取り戻す。
大佐の再婚話をきっかけに、自身の心に気付いたマリアは、トラップ家を去ってしまうが。

2011/05/04 群緑の時雨 (1)

estis2011/05/05 (木) 00:29 に投稿
柳沼行

〈初出〉コミックフラッパー 2010年10月号~2011年3月号

MFコミックス p.190

2011年3月31日 初版第1刷発行

装画・柳沼行
装幀・田中和枝
フォーマットデザイン・フィールドワーク

株式会社メディアファクトリー


士々国家老差床繁正の八番目の息女、差床伊都は、いつも竹刀を振り回しているお転婆の変わり者と言われている。
城下の道場に現れては試合を申し込んでいる。
山奥の塾で、中谷霖太郎と志木府介と出会う。
霖太郎は、父親が戦で背中を切られて死んだことから「退散侍」と蔑まれていた。
母親のため、武功を上げようと、武芸試合への出場を決心する。

2011/05/03-2 刑事失格

estis2011/05/03 (火) 22:52 に投稿
太田忠司

解説 池上冬樹

1992 講談社ノベルス
1996 講談社文庫
2011/4 創元推理文庫

創元推理文庫 M お 6 6 490 06 p.310

2011年4月22日 初版

Cover Direction & Design:岩郷重力+WONDER WORKZ。kk

株式会社東京創元社


警邏中に発見した死体の後頭部には大きな裂傷があった。
発見した警官・阿南は、見回り中に起きた新たな殺人をきっかけに、複数の事件のつながりに気付く。

金沢21世紀美術館

estis2011/05/03 (火) 22:51 に投稿

美術館というからは、建物(の中)を想起するが、金沢21世紀美術館は、敷地を含めた領域が美術館だった。
円形の建物の中は、初めての者にはちょっとした迷路だ。
当日券購入にこれだけ並ばされた美術館は記憶にない。(京都博物館の狩野永徳展では入場までに随分待たされたけれど)
広場でイベントが開かれていたこともあって、建物の中も外も人々でいっぱい。混雑している美術館には当たったことはあるけれど、こんなににぎやかな美術館は残念ながら他に知らない。

展示は、無料、有料、それぞれあったけど、トイレの中にもあったのには気付かなかった。
「タレルの部屋」のように、ぼぅーっと座っていられる空間があるのはよいねぇ。

一番印象深かったのは、「L'Origine du monde」。
巨大な錯覚装置を前に、錯覚しない人たちに興味が向いた。

『イエッペ・ハイン 360°』
「回転する迷宮」では、鑑賞者も歩き続けていることが不思議だった。立ち止まって見る人のなんと少ないことか。