新潮社
2010年11月25日 発行
2011年12月15日 二刷
本書で取り扱われている事件
・大阪教育大学附属池田小学校事件 (2001) 宅間守
・関東連続幼女誘拐殺人事件 (1988) 宮崎勤
・大阪自殺サイト連続殺人事件 (2005) 前上博
・光市母子殺害事件 (1999)
・同居女性殺人死体遺棄事件 (2004)
・秋田連続児童殺害事件 (2006) 畠山鈴香
・土浦無差別殺傷事件 (2008) 金川真大
・秋葉原無差別殺傷事件 (2008) 加藤智大
・奈良小一女児殺害事件 (2004) 小林薫
・母親による男児せっかん死事件 (2000)
裁判は量刑を決定する場であって、真実を明らかにする場とはなっていない。
裁判員制度によってわかりやすい裁判が求められ、なぜそうなってしまったのか、どうすれば再発防止できるのかといった視点はなく、単に個々の事案として対処される状況が助長されたということか。
殺人者として生まれるのではなく、殺人者に育ってしまった。また誰かが同じように殺人者に育つかもしれないが、なぜそうなったのかがわかっていれば防げるようになるらしい。殺人者など一般人と異なる異質な存在だとしてこの世から消し去っているだけでは、これからも無くなりはしない。