LA STRADA
1954年
イタリア
115分
モノクロ
監督:フェデリコ・フェリーニ
製作:ディノ・デ・ラウレンティス/カルロ・ポンティ
脚本:フェデリコ・フェリーニ/エンニオ・フライアーノ/トゥリオ・ピネッリ
撮影:オテロ・マルテリ
音楽:ニーノ・ロータ
出演:アンソニー・クイン/ジュリエッタ・マシーナ/リチャード・ベースハート/アルド・シルヴァーニ
大道芸人ザンパノは、1万リラで、ジェルソミーナを買い、助手として旅回りを続ける。粗暴なザンパノを嫌うジェルソミーナだったが、やがてザンパノを自分がいないと一人ぼっちになると思い始める。
ある事件が起き、笑顔を失うジェルソミーナ。ザンパノは、そんな彼女に耐えられず......
午前十時の映画祭Series2青の50本の一本。
ジェルソミーナがどこかしら変な人物として登場するが、あらすじによく書かれている知的障害ということが強調されているわけではない。
美人というわけではないが、物語が進むにつれて、かわいく見えてくる。
ジェルソミーナを演じたジュリエッタ・マシーナは、フェリーニの配偶者だ。
マシーナとの生活から、ジェルソミーナという人物像ができたらしいが、1954年でさえ、純真さを持つには人はいらないものを持ちすぎていたってことか。
ジェルソミーナは、やがてザンパノを受け入れ始める。彼から離れていかなければ、やがては彼が起こしてしまった事件についても受け入れたのではないだろうか。
ザンパノは、逃げたのだ。その時既に自分の欲しいものがわかっていたんだと思う。
それが簡単に手に入れられなくなって、手に入れられないことを目の前に示され続けることに耐えられなかった。そして逃げて、永久に失ったのだ。
完全なる拒絶が示されるまでは、逃げるべきではなかったのだ。完全なる拒絶を示されないと気付かないなんてサイテーだと思われようと。
他人の心は推し量れないし、人の心は移ろうのだ。