よしもとばなな
幽霊の家 (書き下ろし) 2003/7 文藝春秋 文春文庫 よ 20 2 p.245 2006年7月10日 第1刷 装画・合田ノブヨ 株式会社文藝春秋 幽霊の家 洋食屋の娘である主人公と、ロールケーキ店の一人息子岩倉くん。やがてそこにはいなくなる彼とどのように関係が始まり、どうなったのか。それはなぜなのか。 「おかあさーん!」 社員食堂での毒物混入事件の被害にあった主人公。それをきっかけに両親のことなど今までのことなどを考える。 あったかくなんかない 明かりについて考えるとき思い出す、まことくんの思い出。 ともちゃんの幸せ ともちゃんに訪れようとしている幸せは、それからどうなるかわからないけれど、ひとりぼっちじゃないんだよ。 デッドエンドの思い出 婚約者に裏切られ、おじさんの店の二階に居候することになった私が親しくなった、店の雇われ店長西山君との思い出。
ネットで簡単に本が買える世界になっても、書店が無くなってもらいたくないのは、本との偶然の出会いを失いたくないからだ。
本好きならきっと、一度は経験したことがあると思うのだけれど、普段なら訪れないコーナーだとか、覗かない棚だとかに、なぜかしら通りがかって、ある本が目に止まるということが。 この本は、たまたま映画館のあるビルの一階の書店で新刊というわけでもないのに平積みされていて、「読みなさいょ」って囁かれたので、買ってしまった。 あとがきで、 こう思ってきた。 そう思ってやり過ごして来たけれど、この世界だってまだまだ捨てたもんじゃない、君のいるのはこの世界なんだよ、気付きなさいよ、って告げるべくそれは平積みされていたのだ。
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