2011/07/09 君と僕のアシアト ~タイムトラベル春日研究所~ (1)

estis2011/07/10 (日) 09:44 に投稿
よしづきくみち

travel 1 ホスト男とSF少女
travel 2 約束覚えてる?
travel 3 掛けちがえ
travel 4 一枚の葉
travel 5 形見と恋
travel 6 所長の恋人

Ohスーパージャンプ H21年APRIL、JUNE、AUGUST、SEPTEMBER、NOVEMBER、H22年JANUARY掲載分収録。

ジャンプ・コミックス デラックス p.200

2010年1月9日 第1刷発行
2011年6月11日 第5刷発行

カバーデザイン/本橋真規子(フライハイト)

株式会社 集英社


有限会社タイムトラベル春日研究所を舞台にした物語。
このタイムトラベルは、春日市限定、遡れるのも2002年まで。実際にタイムトラベルするのではなく、脳内への干渉で再現する。

travel 1
 幼馴染みの一言で変わってしまった男。その一言を取り戻そうとタイムトラベルする。

travel 2
 両親の離婚で離ればなれになった妹からの手紙。そこにある「約束」を思い出せない男。

travel 3
 ある事件で失くした記憶を取り戻したいとタイムトラベルする女。そこで夫と親友の秘密を知る。

travel 4
 利き腕の右腕を無くした画家は、病床の妻に、出会ったあの時の光景を描いて欲しいと頼まれ、20年前の自分に絵を描かそうとタイムトラベルをする。

travel 5
 母親の形見のネックレスをなくしたという少女は、タイムトラベルで捜してくれと風見鶏亜紀を脅迫する。

travel 6
 8年前に一方的に風見鶏亜紀にフられたユーキ・ヤングは、理由を聞くためにタイムトラベルしたいと研究所へやって来るが、システムの仕様上それはできないと、風見鶏亜紀は答える。


雑誌で読んだ第20話から気になって買った。
3話までは、このタイムトラベル、インターブレインタイムトラベルがどういうようなものなのかの説明が主体で、一話完結的な話しになっているのだけれど、1話はともかく、2話の依頼者の変化、まして3話の結末は、無理矢理ハッピーエンド志向過ぎないか。
4話の背景として出てくる2012年7月3日(火)東京大災害。5話では、風見鶏亜紀がその大災害の中ただ一人の生き残りであり、タイムトラベル春日研究所が父親の形見であることが明かされる。そして6話では、タイムトラベルスキャンデータ内では10年前の大災害以来、風見鶏亜紀が存在しないことになっていることが語られる。
タイムトラベル装置がおかしいのではなく、風見鶏亜紀の存在がバグだと自身が語る。タイムトラベルを経験した筈の人々もデータ内では経験していないことになっている。ここで既に、パラドックスが生じていると思われるのだが、どう結末をつけるのだろうか。
長い物語の序章としては、まあまあかなと思った。次巻以降の展開に期待しよう。