2010/01/01 39 刑法第三十九条

estis2010/01/01 (金) 05:20 に投稿
1999年
日本
監督:森田芳光
撮影:高瀬比呂志
出演:堤真一/鈴木京香/岸部一徳/吉田日出子/樹木希林

{殺人事件の容疑者には事件当時の記憶が無く、裁判中豹変した容疑者に、弁護士は精神鑑定を要求する。精神鑑定を担当した教授は、多重人格との判定をくだすが、助手は教授とは違う意見を持っていた。容疑者は多重人格では無く、詐病なのではないかと。}


原作は、永井泰宇『39 刑法第三十九条』。

何故、そこまで復讐に執着できたのか。他に何もなかったのか。そう考えると、一人でなかった事が追いやった理由なのか。このような計画を男に思いつかせたのは、何だったんだろう。女が離れないために、復讐を言い出すという構成はありだろうか。男がただ一人で全てを計画し成し遂げるのは無理だったと思う。男が無理だと思った時も、女はやらなければと思い続け、互いの執着が行為を遂げさせたのだとすれば、それは復讐なのか。死者に対しての過剰な責任感・罪悪感が要因だろうが、それほどまでに自分の影響力を信じる事も浅はかな事だ。

この物語の中で、変化したものは何だろう。男は変わらない、女は変わらない、彼らが憎む事にした刑法第三十九条も変わらない。変わったのは、女性鑑定医だけか。