2013年
日本
129分
監督:小泉堯史
原作:葉室麟
脚本:古田求
音楽:加古隆
出演:役所広司/岡田准一/堀北真希/原田美枝子/寺島しのぶ/井川比佐志/
原作を読んでから見たので、どうしても原作と比べてしまう。
十年後に切腹しろと命じられた侍の、最後の三年間程度の時間が流れる中に、切腹を命じられることになった原因の事件や、済んでいる村の人々との関わりで起こる事々を、2時間程度の時間で描くのは難しかったようで、いくつかのエピソードが説明として配置されているに過ぎないように感じるのは、こちらが鈍感なだけではなかろう。
最後のシーンは音楽と相俟って、感情を盛り上げてくれるが、小説にある重要と感じた、住職との会話が抜け落ちているのが気に入らない。
この世を去ることに未練がないとは、残される者のことを少しも考えていないのではないか。それではまだまだ覚悟が足りない。たしか、そんな内容だったと記憶している。
画面奥へ歩んでいく姿が、真っ直ぐ進んでいくのではなく、道なりに左右に揺れるのは、幾許かの意味を含めているのかしらん。